研究内容

 本研究室では、プラットフォーム(乗り物)、ナビゲーション(動かし方)、データ処理(取得データの扱い方)の三側面から研究開発を進めています。具体的なプロジェクトの例を以下に挙げます。

AUVと海底ステーションによる複雑な海底環境の3次元画像マッピング

 陸上資源に乏しい我が国にとって、排他的経済水域内に豊富に存在する海底熱水鉱床は将来の金属資源として非常に重要です。その開発を進めるためには、資 源が賦存する海域の地形や周囲の生物分布といった環境情報などを高精度に把握する必要があります。本研究では、海底熱水地帯のような複雑な海底環境を全自動で探査し、3次元的な画像マップを構築するシステムの開発に取り組んでいます。平成23年度までにテスト用システムを開発し、鹿児島湾で基本的な動作を確認しました。今後2年間で2,000m級のシステムを開発し、深海の熱水地帯への展開を目指します。また、本システムは底生生物の観測にも役立てていきます。

複数のAUVの連携による海底の広域・高精度マッピング

 画像等による海底マッピングは資源探査、生物調査、捜索救助など様々なアプリケーションに有効ですが、海中では電波がほとんど届かないことから、測位(自分の位置を知ること)が大きな課題です。本研究では複数のAUV交互にランドマークとなりつつ移動することで、広範囲で高精度な相対測位を行う手法を開発します。これにより、広域の海底画像化(いわば海底グーグルアース化)を目指します。

海底ドッキングステーションによるAUVの長期展開

 AUVは全自動とはいいつつも、電池交換やデータ回収のために母船を必要としています。本研究では海底ステーションを基地とすることで、母船無しで長期間AUVを展開する手法を開発します。これにより海底の時空間的に密なモニタリングを実現します。

海底3次元画像に基づく、底生生物の定量的評価

 AUV等による膨大な海底撮影データを有効活用するには、データ処理の自動化が重要です。本研究では、AUVによる海底画像、地形、その他の情報から全自動で3次元画像マップを生成、データベース化すると共に、特定の生物を自動抽出し、その分布や体積等を定量的に計測する手法を提案します。(下図はTri-Dog 1により撮影した、鹿児島湾の海底100mに棲むサツマハオリムシの群集)